雨 男

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久しぶりに友人の所有する35フィートセーリングクルーザーに乗った。 そもそも、最初にボートやヨットに乗って遊ぼうと思った時、誰がこんな海を想像するだろう。普通は青い海に白い雲、輝く太陽。ついでに冷えたビールにビキニの女性といったような妄想を抱いて人は道を誤る。もちろん私は冒険家でも無ければ職業船員でも無いから、およそスポーツとは縁の無いマリンライフを思い描き、甲板でのんびり酒さえ呑めれば満足だったのだ。 自分がスキッパーやクルーとして乗ると、雨が降り、風が吹く。海の男では無く、雨男だと人は言う。 海での遊びも幅が広がり、最近は海上または海岸での花火大会が増えた。当然私たち「海族」としては車や電車での混雑を避けてボート若しくはヨットで見物に行かなくてはならない。しかし、海上も混雑している。 ヨットの高いマストの航海灯が左右に揺れて蛍の乱舞のように美しい。だが、そういう光景や花火を楽しめるのはパッセンジャーだけでスキッパーたるや周囲の船との安全確保に必死となる。 うっかり夜空を仰ぎ見ているとすぐに前後左右の艇とゴツンゴツンとぶつかるので常にハンドルとスロットルを微妙に操作しなければならない。 思うに小型船舶操縦士の免許試験の際に、波のある同一海面において舵と機関を用いて静止するという項目を追加してはどうかと思うが、そんなことを言うと今でも難しいと言ってる人から怒られるだろうか。 グアムあたりでは水上バイクを借りる時の現地インストラクターは怪しげな日本語で |